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BLEACH:カプはindex参照。
「なぁ、一護」
「…ぁっく、…んだよ…っ、」
市丸の右手が一護の左手に寄せられ、やがて指と指が絡み合っていく。まるで蔦のように、対象を決して逃さぬようきつくきつく。
一護は背中が壁に押し付けられてもなお抵抗するように後ろへ引こうとする。結果、市丸とさらに距離が近づくが、その事実すら理解できぬほどに追い詰められていた。
「お、ぃ…ここでは、やめろよ。ヤだからな」
それを聞くと市丸は笑いを隠さず口元に弧を描いた。
「…何を?なにをされたいん?ゆうてみ、一護…」
吐く息が荒い。
一護は時間がどうとか場所がどうとか、そんなもの。考えられなくなる。
そうこうしている間に、市丸の左手は、一護の右手を。
「も、やめ…、ぐっ!」
唇が重なるのを感じた。深く浅く、もっと底まで。落ちる。
「息、せんと。一護…死んでまうよ?」
くくく。美しい銀色の狐が笑うのを視界の端で捉えた。輪郭がぼやける。一護は自分が泣いているのだと、この時初めて気付いた。
「もっと啼いて」
「ぁ、あ…!」
両手は彼によって封じられ、その両の指先からもビリビリと得体の知れないけれどよく知っているだが認めたくない何かが、一護をじわじわと蝕んでいく。
「一護、このまま」
そして彼が言う。
"堕チロ"
「い、やだ」
それが最後の抵抗。
気を失った一護を片腕で受け止め、満足そうに「嗚呼」とひとこと。
この人こそが、私の最愛。私の命。
彼の立つその場所こそが、深淵との境界線。
「…ぁっく、…んだよ…っ、」
市丸の右手が一護の左手に寄せられ、やがて指と指が絡み合っていく。まるで蔦のように、対象を決して逃さぬようきつくきつく。
一護は背中が壁に押し付けられてもなお抵抗するように後ろへ引こうとする。結果、市丸とさらに距離が近づくが、その事実すら理解できぬほどに追い詰められていた。
「お、ぃ…ここでは、やめろよ。ヤだからな」
それを聞くと市丸は笑いを隠さず口元に弧を描いた。
「…何を?なにをされたいん?ゆうてみ、一護…」
吐く息が荒い。
一護は時間がどうとか場所がどうとか、そんなもの。考えられなくなる。
そうこうしている間に、市丸の左手は、一護の右手を。
「も、やめ…、ぐっ!」
唇が重なるのを感じた。深く浅く、もっと底まで。落ちる。
「息、せんと。一護…死んでまうよ?」
くくく。美しい銀色の狐が笑うのを視界の端で捉えた。輪郭がぼやける。一護は自分が泣いているのだと、この時初めて気付いた。
「もっと啼いて」
「ぁ、あ…!」
両手は彼によって封じられ、その両の指先からもビリビリと得体の知れないけれどよく知っているだが認めたくない何かが、一護をじわじわと蝕んでいく。
「一護、このまま」
そして彼が言う。
"堕チロ"
「い、やだ」
それが最後の抵抗。
気を失った一護を片腕で受け止め、満足そうに「嗚呼」とひとこと。
この人こそが、私の最愛。私の命。
彼の立つその場所こそが、深淵との境界線。
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